*

子供の教育と睡眠の関係とは?適切な睡眠が好影響を与える

公開日: : 睡眠に関する基礎知識

sleep_learningphoto credit: something.from.nancy via photopin cc

適切な睡眠で学習効果の定着が起こる

 練習してもなかなかできなかったことが、数日練習するといつのまにかできるようになることがあります。例えば、楽器の練習をしていて、難しくてなかなか弾けなかったところでも、集中して何日も練習すると、ある時急に弾けるようになったりします。このような経験は、楽器やスポーツをしている人に共通する体験だと思います。

スポンサーリンク

練習効果を実験で調べる

 練習するとだんだん上手になる理由は昔からの謎でした。そこで、健康な若者に学習をさせて成績の経過を見る実験を行ったところ、集中して勉強させると多少成績は向上するが、それよりも次の日になるとさらに成績が伸びることがわかりました。

 次の日によく成績が伸びるのには、睡眠が関わっているのではないかと考えられました。そこで、夜寝る前に課題をさせ、しっかりと睡眠をとらせる実験を行いました。すると、翌朝には大きく成績が伸びていることがわかったのです。逆に、徹夜をさせると朝になっても成績は伸びず、朝から勉強させて夜に試験をしても成績が向上しにくいことがわかりました。

 この結果から、新しい技術を覚えたり、新たな知識を身につける際には、学習した日に6時間以上の睡眠をとることが不可欠であるという結論を出しました。例えばキーボードのタイピング学習をおこなった際に、単なる繰り返し練習と、しっかり睡眠をとらせた場合の比較を行ったところ、睡眠を効果的にとりいれた方が成績が伸びることが報告されています。

 この睡眠による学習定着効果は技術が複雑になるほど効果があり、苦手なことほど覚えやすくなることがわかっています。脳は眠っている間はただ活動を停止しているのではなく、なんらかの作用で技術や記憶の向上をサポートしているのです。

学習効果の高い眠りはどんなものか

 では、技術や学習内容の向上しやすい睡眠はどのようなものでしょうか? 初めのころの研究では、レム睡眠(夢を見る睡眠)の間になんらかの作用があるのではないか、と考えられていました。

>>レム睡眠とノンレム睡眠とは?夢との関係

 そこで、レム睡眠になると覚醒させるようにしてなるべくノンレム睡眠だけをとらせた場合と、その逆にノンレム睡眠になると起こしてレム睡眠だけをとらせた場合に分けてどうなるかを調べる実験が行われました。その結果、レム睡眠だけをとらせた場合にのみ、睡眠による学習効果が見られました。

 別の実験では、睡眠の前半にノンレム睡眠が多く、覚醒前はレム睡眠が多いことに注目されました。眠る直前に練習させて、ノンレム睡眠を多くとった場合とレム睡眠を多くとった場合にわけて比較すると、ノンレム睡眠を多く摂らせた方が技術の向上が起こりやすいことがわかりました。

 一見すると、これら二つの実験では逆のことを言っているように見えます。まだどちらが正しいかの結論は出されていませんが、レム睡眠とノンレム睡眠の両者が複雑に絡み合うことでなんらかの学習効果が生まれていると考えるのが自然でしょう。いずれにせよ、子どもに十分な学習効果を望みたいなら、寝る前にしっかり学習させ、規則正しく睡眠させることがもっとも重要だと言えそうです。

関連記事

058845

電車の中で猛烈に眠くなるのはなぜ?

終電を乗り過ごしてしまう理由とは 仕事が終わり、帰りの電車でうっかり寝てしまって、目的の駅

記事を読む

winter_sleep

春になると眠くなるはウソ?秋から冬にかけて眠くなる仕組み

photo credit: blmiers2 via photopin cc 人間にも冬眠のシステ

記事を読む

sinbutaion

深部体温リズムが夜の眠気をもたらす

深部体温リズムが夕方以降のコンディションを左右する 人間には、大きく分けて二つの体温があり

記事を読む

economicloss

睡眠不足は健康被害だけでなく経済的損失を生み出す

不眠不休で働いても稼ぎはよくならない 日本では、睡眠不足になっても眠らずに働き続けることが

記事を読む

sleeping_time

最適な睡眠時間は何時間なのか?8時間睡眠論はホント?

睡眠時間はほどほどが一番いい 「何時間眠れば疲れがとれるのか」 「何時間眠るのが最適なの

記事を読む

badmood

寝起きが悪いならコルチゾールを減らす練習で改善

朝すっきり目覚めるための方法とは 朝起きるときに、人間の体の中ではコルチゾールという副腎皮

記事を読む

sleepiness

昼休みのあとに眠くなるのはなぜ?

睡眠覚醒リズムのピークが午後に訪れる 昼休みのあとはどうしても眠くなってしまう、なんてこと

記事を読む

sesujinobasu

夕方や夜の眠気を効果的に解消する対策方法

深部体温を簡単に上げて夜の眠気に対応する 夕方以降に眠気が襲ってくるのは、夕方から徐々に深

記事を読む

serotoningraph

体内のメラトニンが増減する仕組み

人がすっきり目覚めてスムーズに眠れる秘密 朝に光を浴びるとメラトニンが減ってすっきりと目覚め、

記事を読む

coffee

コーヒーで眠気を覚ますのがクセになるのは危ない?

カフェインなしで睡眠習慣をつけることは可能 寝起きが悪かったり、朝が弱いなどの理由で、朝に

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

話題の快眠枕

PAGE TOP ↑